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2005年10月 アーカイブ

2005年10月03日

第四十七話:怒濤の数日間

もう1つ全日本教育工学研究協議会ネタを。

原稿締め切りが9/30の午後5時だった。その数日前から連名発表をしている人たち(辻さん@大野町小、飯田さん@大徳小、前田さん@飽田東小、田邊さん@慶応中高等部、青山さん@筑波大附属小、山下さん@西荒屋小、中川さん@池田小、山中さん@熊野川小、水谷さん@暁小、池田さん@扇町総合高、田中さん@蒲河小、石倉さん@成実小、鈴木さん@犬川小、河崎さん@土棚小、中野さん@金沢大附属幼稚園)とのやりとりの応酬だった。みんながんばっているし、レスは出したとたんに待っているのを充分にわかっている。途中段階の原稿がくるたびに、できるだけ迅速に対応した。

やりとりの程度はあるが、主に研究の目的と結果の整合性、研究の方法の明記、データの妥当性について、指摘した数日間だった。特に実践やプロジェクト等の目的と何について明らかにしているのか(研究の目的)を混同することが1,2回目の実践研究論文ではよく見られる。

しかし、問題は自分の発表のものの書く時間がとれなかったこと。エッセイ風の何かの原稿よりも短時間で締め切り直前に一気に書き上げてしまった。クオリティはまったく納得がいかない。それでも出した。連名で頑張っていた人たちに、「時間がなかったので私は出せませんでした」ではしめしがつかないからだ。しかし、いつも早めに自分が準備していればと反省。

2005年10月04日

第四十八話:ついに中川塾が公開研究会に

これまで秘密結社(児玉師範@宮崎:談)のように活動していた中川塾がとうとう公開研究会を開催する。

場所は宮崎。上記の児玉さん@師範、佐野さん@1期生、そして北村さん@2期生がそろっているいわば中川塾のホームグラウンドの1つだ。

あくまでもIT活用を切り口にしながらも授業カイゼンが中心テーマだ。1泊2日でどっぷりと参加者一人一人の授業づくりに迫る会になると思う。ただ聞いていてすまされることのない研究会が、それだけ自分の授業を見直す機会にはなるはずだ。

塾関係者はもとより、九州の精鋭の実行委員がみなさんをお待ちしている。



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   「IT活用実践研究会in宮崎」のご案内

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「ITの活用が子どもの学びにむすびついているのか」「ITの効果的な活用によって、授業がほんの少しでもいいからバージョンアップされるか」

授業力,メディア活用の際の指導力をしっかりと鍛えることを目的にした研修会。教師としての資質向上を図る2日間です。



■期日

  平成17年11月19日(土)13:00〜11月20日(日)11:30

■場所

  宮崎市教育情報研修センター

  http://www.mcnet.ed.jp/mcnet/

■参加費

  参加費は3000円です。当日受付にてお支払いください。

■内容

(1日目)

13:00 開会

13:10 放談「2日間の歩き方」

14:00 実践発表

14:30 ワークショップ1

 ・IT活用による授業カイゼンをテーマにワークショップを行います。

 (テーマは後日発表)

15:30 各グループによる第1次発表

 ・ワークショップ1段階での第1次発表

16:30 ワークショップ2

17:00 1日目まとめ

18:30 情報交換会(場所などは,後日お知らせします)

(2日目)

9:15 各グループによる最終発表

 ・ワークショップ1・2を終えて改善案を出して頂きます。

10:00 ポスターセッション

 ・後日,参加者募集します。

11:00 放談

11:30 閉会



■宿泊

  事務局で一括予約はしませんが,参加者には宿泊先の

 ご案内をさせていただきます。



■申し込み及び締め切り

 「IT活用実践研究会in宮崎」

  事務局長  佐野 工

    takumi.sano@nifty.com

 (11月2日までにメールにて)



 ┌──────────────────┐

 │「IT活用実践研究会in宮崎」実行委員会 │

 │                  │

 │  児玉 晴男   水野 宗市 │

 │  日高 正晴   渡邊 淑子 │

 │  渡邉 光浩   北村 義人 │

 │  田中健太郎   甲斐  崇 │

 │  佐伯 和伸   三宅 徹哉 │

 │  佐野  工(事務局長) │

 └──────────────────┘

2005年10月13日

第四十九話:英語が小学校で必須に?

とうとうきたな、という感じだが、英語が小学校に必須で登場するというニュースが流れた。

早ければ2年後に3年生以上で実施されるようだ。

教科書なのかテキストレベルなのか、英語教員の養成はどうなるのか(高校の情報のようにばたばたすることになるのか)などは、中教審等での議論待ちということだが、問題はこれでいよいよ総合の時間削減に手がつけられる可能性が高い、ということだ。

総合の成果(特に小学校の)が充分に議論されないまま、目先がかわっていくのは残念でならない。





追記:

上記の報道については、10月13日に文部科学省初中局教育課程課長名で、中央審議会で学習指導要領全体の見直しを行う中で外国語教育の改善充実についても議論しているところで、現時点では何も決まっていないという旨の通達を出している。

2005年10月19日

第五十話:まなびピア修了

先週の土曜日に鳥取で行われている生涯学習フェア「まなびピア2005」に日帰りで参加する。7:10羽田発8:20鳥取着という朝早い便にもかかわらず、空港に速水さん、有田さん、谷口さん、谷田さん、吉岡さん@NTT、北田さん@NTTが迎えに来てくれていてびっくり。ランチから黒田さん、田中さん、矢田さんも合流してくれ、10月末の放送教育全国大会および11月末の鳥取県情報教育研究大会(三朝西小公開)の打ち合わせもできた。特に、三朝西のシンポジウムはこのタイミングで打ち合わせができて本当に良かった。役割をそれぞれはっきりさせることが重要であることを指摘した。

午後からは、まなびピアでの発表。NTT西日本とD-proが共同開発しているe-Learning型D-proワークショップパッケージの発表をした。その後、矢田さん@附属小の模擬授業。わずか20分という限られた時間の中で、これから起こり得るチェーンメール等のかかわり方についてわかりやすく進めていた。さすがだ。

まなびピアは生涯学習フェアの一部ではあるが、ステージなどあき時間がけっこうあってもったいないなと感じた。教員対象のパネルやイベントなど、いろいろと盛り込んではどうだろう?




2005年10月24日

第五十一話:倉吉東中が躍進する秘密はどこにあるか

現在、私が定期的に校内研究の指導・助言にかかわっている学校は20校(と言っているうちに、神奈川県相模原市の情報教育推進の小学校が今後増えそうだ)。その中でも中学校でありながら、職員全体が情報教育の実践研究をしっかりやって成果をあげている学校がある。それが鳥取県倉吉市立東中学校だ。

何よりも校内研究はいつも真剣そのものだ。先日は運動会1週間前で練習後にもかかわらず、それぞれの学年からの提案があり、議論がくりひろげられた。当然教科はそれぞれだが、他の教科の授業の進め方も情報教育にひきつけてどんどんみんなでアイディアをだしていく。いつもいつも校内研究会は笑いがあり雰囲気も良い。前向きなこの学校のパワーの源は何なのか。

いろいろあげられるが、私は主に3つあると思う。



1)教師一人ひとりの授業への熱い思い

これまで何度も東中に行っているが、何といっても、より良い授業がしたい、という一人ひとりの教師の思いをいつも感じる。校内研究会では一度に3,4人が授業を公開し、放課後検討会になるが、妥協せずに物事が言える雰囲気がこの学校にはある。

2)管理職の柔軟さ

校長は本校の生徒や教育そのものに良いと思うことはすぐに取り入れる。授業にプラスになるような外部の協力はすぐにお願いする。校内の教師のためになるような研修にはきちんと本務として派遣する。

3)研究担当(兼・情報担当)リーダの巧妙な戦略

担当リーダーの岩崎教諭のコーディネーションは見事というほかない。

たとえばIT活用について、以下のようなことをじわりじわりとやってきた。

その1:ボトムアップ的攻略

岩崎教諭によると、「階層のある販売員システム状態」だという。

「ちょっとスキルがある人にソフトやネットワークの便利さをとにかく宣伝する」ことを発信源がやり、それを3人に知らせるとソフトやネットワークの活用場面が3倍人目に触れる、ということだそうだ。確かに東中では、たくさんの教師が活用する場面を見ている。

その2:トップダウン的攻略

「研究主任になる。そして学校の研究に情報教育を組み込んでしまう。

・それによって教師の授業力がアップする。

・それによって生徒の学力がアップする。

・心配されるスキル面などのフォローは誰々がしてくれる。

もたらされるメリット、心配されるデメリットの解決法を明示する。」(岩崎教諭:談)

まさに本人は有言実行だ。

その3:外堀埋められ的攻略

「校務にIT活用を組み込んでしまう。大多数の人がこりゃ便利!と思うようなシステムを導入すれば、使わない頑固少数派も外堀が埋まってしまったので観念して使います。その時に一番洗脳するのは管理職。管理職が使って、さぁみんなも使いましょうとアナウンスするようになればしめたもの。おれは使わない!と言うことは職務放棄に値するのでそうそう頑固者でない限りはしばらくすると落城すると思います。」(同教諭:談)

朝の職員打ち合わせの一部は完全に校内ネットワークの掲示板で行うようになった。その時間を生徒とかかわる時間に充てている。

後半部分はさきほど指摘したような管理職だからあてはまるという部分もある。頑固者管理職にはまたちがう攻め方が必要になるだろう。

それ以外にも、あまりにも逆にITに懲りすぎるような教師が出たときには、適度にさましながら進めていっているようだ。いずれにしても、岩崎教諭がトップダウン・ボトムアップ、アメとムチのさじ加減をうまくとりながら、全体を見通して進めていっていることが成功の秘訣だろう。



いずれにしても、最終的には生徒の力がどうつくのかを教師一人ひとりがそれなりに感じとれたからこその今の姿だろう。

一度、学校をおとずれてみてはいかが?いつもオープンなので歓迎してくれるはずだ。




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