今週は、シンガポールを経て、パース(西オーストラリア州)に、メディアリテラシーの実践校の視察と、今後の自分の研究の資料集めに来ている。
9月に知り合ったJanさんにコーディネートしてもらい、一番ホットな学校をめぐる1週間だ。今日はまず、その第一弾で、公立の中高等学校を訪問した。
【学校規模】
90名の教師。1350名の生徒。ただ、敷地が広いので、そんなにたくさんいるような感じはしない。チャイム(?)が日本でいうと、防災訓練のサイレン。ちょっとはじめはびっくりする。
【科目】
必須は国語などほんの少しで、ほとんどの科目は選択授業だ。われわれが見せてもらったメディアスタディ(ICT活用に限らず、メディアリテラシーの授業を行う科目)も選択科目の1つだ。選択科目は25名が定員。
【Media Studyの授業】
22名が受講。Year12(高校2年生)。
まずは撮影の基本を学ぶ授業だった。撮影の基本とは、フレームをどうするか、一人だけが映っているときは肩から上を映すなどのきまりを、古典的な映画の映像を見せながら学習。
選択でYear8からメディアスタディを選択している生徒がほとんどであるが、はじめての生徒や学習内容を忘れている生徒が多いため、改めて基本から学習することにしたと言う。
この授業では、「メディアとは何か」「チームワーク」「メディアで使われる言葉」などを参加する(生徒自ら撮影してみる)ことで学ぶ。例えば、広告を見るだけでなく、「どうやって作られているか」「どんな道具を使っているのか」「どういうふうに影響を与えるのか」などについては、作らないとわからないという。このへんは、私も同感。読み取るだけではダメだと思う。
生徒は教師の説明を聞いた後、グループに分かれ、ビデオカメラを持って校内で撮影をした。教師は授業終了20分前に戻ってくるように伝達。普段の撮影時は撮影の様子を見て回る。撮影に対してアドバイスをする。
教室に戻ってきた生徒の作品を見て、教師はシートにコメント、及び評価をすぐに書く。その場で書いてあることが大事だと言っていた。
設備が整っていない中でどのように工夫するかということにビンセント先生は尽力している。公立でも設備な整っていなくても、ここまでできるということを示したいのだと思われる。
板書には、以下のように書いてあった。
Back to Basic Task(基本に立ち戻ろう)
FOCUS(注目点)
-common skils(ズーム禁止などの共通の技術)
-smooth transition(滑らかに移動)
-group organization(チームワーク)
-working with time constration(時間制約)
-media etiquette(メディアエチケット)
オーストラリア学校事情予備知識1
【学校種や年度】
西オーストラリアの学校は、7-3-2制である。
5才から入学、17才で高校最終学年になる。日本と比べると、1年早く入学し、1年早く高校を卒業することになる。
中学校1年生はYear8、高校最終学年はYear12。
オーストラリアは1月下旬〜2月上旬が新年度。
Year10までは義務教育。Year11からは仕事がある生徒は卒業できる。