ヘルシンキに到着(3/14)
現地時間の15:30にヘルシンキに到着した。今回は、自分の科研でフィンランドの小学校国語科Viewing領域についての視察とインタビューを目的としている。4校の基礎学校(小学校)とヘルシンキ市メディアセンターやメディア教育協会などを訪問する。また、キーパーソンへのインタビューも予定。今回同行するとともにアレンジしてくれた研究分担者の北川達夫さんに感謝。前回は2月上旬に訪れたが、そのときに比べると、はるかに暖かい気がする。とはいうものの、マイナス3度だが。
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現地時間の15:30にヘルシンキに到着した。今回は、自分の科研でフィンランドの小学校国語科Viewing領域についての視察とインタビューを目的としている。4校の基礎学校(小学校)とヘルシンキ市メディアセンターやメディア教育協会などを訪問する。また、キーパーソンへのインタビューも予定。今回同行するとともにアレンジしてくれた研究分担者の北川達夫さんに感謝。前回は2月上旬に訪れたが、そのときに比べると、はるかに暖かい気がする。とはいうものの、マイナス3度だが。
ヘルシンキ市東部にあるこの学校は、ごくごく普通の公立小学校。児童数380名、教員数25名、授業助手3名。重点教科は、算数と環境(日本でいうと、総合的な学習というよりは理科にあたるようだ)
Marianne Ropponen校長(写真1)が、ずっと対応してくれる。学校教育方針などについて、副校長をまじえて、説明してくれた後、3時間の授業を参観する。
まず、1年生の国語Viewingの授業。途中までは文章のみで、途中からは挿絵だけの教材文を読み、イメージをふくらませながら読み取っていく(写真2、3)。挿絵だけで言葉を紡いでいく学習活動は、日本の国語は1年生の最初に出てくる。しかし、段階的に何度もこういう形が出てくるようだ。教師のなげかけがHowやWhyが多く、子どもたちに意見をひっきりなしに求めていた。
2年生の授業は「キバプログラム」といういわゆる道徳のような授業。いじめに対するプログラムで、「1人や2人ではいじめは起こりにくいが、まわりにいる友だちの態度がいじめを増幅する」といったテーマ(写真4、5)。なかなか難しい。
給食をいただくこともできた(写真6)。ビュッフェ形式でラザニアと野菜サラダ。自分の食べれる分だけ自分でとる。牛乳は飲み放題。
そういえば、各教室には、天釣りのプロジェクターと実物投影機が配備されていた。画像を大うつしにするというオーソドックスな使い方だが、あたりまえに授業で使っていた(写真7)。また、この学校では、今は1台しか入っていないが(写真8)、ヘルシンキ市の2012年までに全校に電子黒板(プロジェクター投影型)を導入するという方針に先立って、来年度には全教室への電子黒板の配備を終わらせる、という。また、WSOI社という大手の教科書会社のデジタル教科書を活用していた。日本とちがうところは、Webにアクセスして使うようになっていること。また、一斉指導に使うだけでなく、児童が家に帰ってからも使う事ができる。年間児童一人あたり3ユーロを使用料として払っている、という。
ちょうど、校内を見てまわっていた時に、4年生の図工の授業に遭遇。木のペンケースを制作中だったが、電気ドリルなどをあたりまえに使っていてびっくり(写真9)。まるで日本の中学校の技術の授業みたいだった。
いろいろと話題になることの多いフィンランドの教育だが、特にこの学校では特別なことをやっている感じはなかった。しかし、教材研究や指導法の検討など、あたりまえのことをしっかりと地道にやっていることが、かえって目についた。
ヘルシンキ市教育庁メディア・センター(Opetusviraston Mediakeskus)
メディア教育協会(Mediakastuksen seura)
サカリマキ=オストロスンドム基礎学校(Sakarimaen ja Ostrosundomin ala-aste)
ウラッタサーリ基礎学校(Lauttasaaren ala-aste)